新生児マススクリーニング(先天性代謝異常等検査)
先天性の病気のなかには、生後早い時期に採血を行うことで診断できるものがあります。新生児のうちに早期発見しておくと、早期治療により知能の遅れなどを防止し重い症状が出ないように注意して日常生活を送ることができます。このような取り組みが「新生児マススクリーニング」(先天性代謝異常検査)で、世界各国で行われています。日本では1977年に開始されました。技術の進歩によって、更に多くの疾患を対象にすることが可能となり、宮崎県では2013年度より新しい検査方法(タンデムマス法)が導入され、これまでの6疾患に加えて、新たに13疾患が加わり、合計19疾患が対象となりました。2018年度からはさらに1疾患増え、20種類の疾患を対象に行っています。
対象者
宮崎県内の産婦人科、助産院等の医療機関で出生した新生児
検査内容・方法
生後5~7日(日齢4~6日)の新生児のかかとから少量の血液を検査用ろ紙に採取し、検査機関(宮崎県健康づくり協会)に郵送し検査を行います。
対象疾患名 | 検査項目 | 検査方法 |
---|---|---|
代謝異常症 アミノ酸代謝異常症 (5疾患) |
アミノ酸 | タンデムマス法 |
代謝異常症 有機酸代謝異常症 (7疾患) |
アシルカルニチン | タンデムマス法 |
代謝異常症 脂肪酸代謝異常症 (5疾患) |
アシルカルニチン | タンデムマス法 |
糖代謝異常 ガラクトース血症 |
トータルガラクトース、ガラクトース、ガラクトース-1-P | マイクロプレート酵素法 |
内分泌疾患 先天性甲状腺機能低下症 |
TSH | 酵素免疫法(ELISA法) |
内分泌疾患 先天性副腎過形成症 |
17-OHP | 酵素免疫法(ELISA法) |
備考
検査費用
- 検査料は、無料(県負担)です。
-
採血料は、保護者負担になります。
重症複合免疫不全症とライソゾーム病の検査
2020年4月1日より宮崎県内で出生した新生児について「重症複合免疫不全症」と「ライソゾーム病」の有料の任意検査を開始いたします。
対象者
2020年4月以降に宮崎県内の本事業に参加する施設で出生し、保護者が検査を希望した新生児
対象疾患
重症複合免疫不全症、ライソゾーム病(ポンぺ病、ファブリー病、ムコ多糖症Ⅰ、Ⅱ型)
備考
この検査は、従来行われている新生児マススクリーニング検査で使用した採血ろ紙の一部を使って検査を行うため、新たな赤ちゃんへの負担はありません。検査は任意のため、費用は自費です。
(検査にかかる費用については、現在受診されている医療機関にお問い合わせください。)